以前は家族や近親者など、ごく近しい人のみで行われていた「通夜」ですが、現在は「半通夜」という2時間から3時間程度で終わるスタイルで行われることが一般的です。それほど近しい間柄ではない場合は「お通夜」「葬儀」「告別式」のどれかに参列すればいいでしょう。
お通夜の注意事項
告別式で用意ができるのであれば、香典はお通夜の時に用意しなくても問題ありません。受付は故人との関係により、何列かに分かれていることがあります。確認して、正しい列に並ぶようにしましょう。
受付の順番が来たら、ふくさを開いて香典を渡しますが、この時、名前が相手から読める向きにして手渡します。必ず両手を添えてください。香典の用意ができていない場合は、記帳だけでも問題ありません。
通夜振る舞いには故人への供養という意味がありますので、短い時間でもいいので、必ず出席するようにしてください。お酒も出されますが、飲み過ぎ厳禁です。長居をせずに帰りましょう。
葬式と告別式は、基本的に友引には行いません。しかし、お通夜は友引でも行います。
焼香のやり方は、地方、宗派などにより異なります。一般的には、僧侶の読経が始まってから、以下の要領で焼香します。
※上記を3回繰り返しますが、参列者が多い場合などには、1回になることもあります
葬儀中、数珠は常に手にしておくものです。通常は、左手の親指と人差し指の間にかけておきます。焼香の際は左手に数珠をかけたまま体の前に差し出します。合掌する際は、両手の親指と人差し指の間にかけます。
葬儀式は死者弔いの儀式です。故人の冥福を祈る儀式ですね。一方、告別式ですが、こちらは故人に別れを告げる儀式になります。時代の流れで葬儀の形も変わってきています。最近では通夜を省いた一日葬も多く行われています。
香典の金額は、年齢、故人との続柄、付き合いの深さで決まります。金額には、以下のように、大体の目安があるので、この金額を参考にしてください。
社会人になると、取引先や社内関係者の葬儀に参列することもあると思います。基本的な作法については、通常の葬儀と何も変わりませんが、ビジネス繋がりならではの作法のようなものが存在します。
取引先の社員や社長などが亡くなった場合、会社としての判断が優先されます。訃報を受けたら、上司に報告し、指示を待ちましょう。会社関係では、亡くなった人と同格の人を弔問に送るなど、会社としての対応があります。社葬の通知を受けた場合も同様です。
ビジネス関係で葬儀に参列する場合、受付で名刺を提出します。この際、本人が来場したのか、代理人が来場したのかを明確にするための慣例があります。
上司や同僚といった、同じ社内の関係者が亡くなった場合は、会社としてだけではなく、一個人としても弔問する必要があります。一個人としての弔問は通夜に行い、その際に香典も渡すことが一般的です。上司や同僚の身内が亡くなった場合も同様です。
ビジネス関係者が亡くなった場合は、会社としての判断を待つことになりますので、知らせを受けたらすぐに上司に連絡し、その指示を待ちましょう。
遺族にとって葬儀は、悲しみの中にありながらも進めなければならない大きなイベントです。そのため、身内以外のご近所さんなどに、受付や道案内などのお手伝いを依頼する場合があります。
手伝いを依頼されたら、特に指示が無い限りは、式の1時間前には会場にいるようにしましょう。役割分担を確認し、待合所や駐車場の位置なども把握しておきます。
葬儀の受付は、参列者と直接関わる重要な役割です。参列者に名前と住所を記帳してもらいます。必ず喪服を着用し、記帳の他、香典、弔電の受け取り、そして弔問のお礼をします。現金を扱う場所でもあるため、場所を離れる必要がある場合は注意が必要です。
葬儀は悲しいことではありますが、人の人生におけるビッグイベントです。しかし、結婚式とは違い、式の性格上、場慣れの難しいイベントです。今回は仏式葬儀の基本的な流れとマナーについてご紹介しました。もちろん日本には他の宗派、そして他の宗教が、それぞれのスタイルで葬儀を行っています。そのため、訃報の連絡を受けたら、まずは遺族に宗教と宗派の確認をとりましょう。
ビジネス上の付き合いで葬儀に出席しなければならないこともあると思います。このような葬儀の場合は、会社同士の付き合い、役職のことなども考えつつ判断する必要があるため、上司に指示を仰ぎましょう。
人の死は突然やってくることも少なくありません。いざという時に備え、葬儀についての基本的な知識を身につけておくことは、社会人としてのマナーだと言えるでしょう。